演劇の話題で見かける「千秋楽(せんしゅうらく)」という言葉。演劇に興味を持ったばかりで、どういう意味?と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。また「千穐楽」との違いがはっきりわからない方もいると思います。今回は「千秋楽」とはなにか、「千穐楽」との違いについて見ていきましょう!

01 千秋楽って?意味と言葉の由来

千秋楽とは、演劇で同じ作品を長期間上演する際の最終日のこと。全国地域での公演がある場合は各地の最終公演を「千秋楽」、全ての最終公演を「大千秋楽(おおせんしゅうらく)」と言います。千秋楽のことを「楽日(らくび)」または「楽(らく)」と呼ぶことも多く、千秋楽の前日のことは「前楽(まえらく)」と呼ばれています。

千秋楽は元々、江戸時代に大相撲や歌舞伎などで使われていた言葉。由来については、諸説ある中で有力説が2つあります。

1つは日本の古典音楽の雅楽で、ラストに演奏された曲が『千秋楽』だったこと。これは必ずしも最後に演奏していたわけではありません。

2つめは祝いごととして歌われる能の代表曲『高砂』です。最後の節に千秋楽という言葉から始まる詩があるため、これが由来だと言われています。

02 千秋楽と千穐楽との違いはなに?

「千秋楽」とは別に「千穐楽」という言葉を見たことはないでしょうか。SNS上でも両パターンを使っている方を見かけるので、どちらが正解かわからなくなりますよね。

実は「千秋楽」と「千穐楽」は漢字が違うだけで、読み方も意味も同じです。江戸時代の劇場であった芝居小屋は木造が多く、火事で燃焼することも珍しくありませんでした。「秋」という漢字の「火」の部分は縁起が良くないということから、同じ意味合いの「穐」の文字を使うようになったと言われています。

かずちぃ
かずちぃ

千穐楽は最終公演のため役者の気迫が凄く、演技にアドリブが入ることもあります。カーテンコールの最後に挨拶があることも多く、全公演の中でも特に楽しめる人気の公演です。公演の日程選びに迷った時は、是非千穐楽に観に行ってみてはいかがでしょうか。