12月17日よりサンシャイン劇場で上演される『成井豊と梅棒のマリアージュ』。活動休止中の人気劇団「キャラメルボックス」劇作家・演出家である成井豊さんとキャラメルボックスメンバーが、ダンスで魅せるエンタメ集団「梅棒」とコラボします。公演の公開稽古後、成井さんと出演者らにインタビュー!その様子を3回に渡ってお届けします。稽古見学リポートはこちら

※写真左より野田裕貴さん(梅棒)、遠山晶司さん(梅棒)、阿部丈二さん(演劇集団キャラメルボックス)、成井豊さん、原田樹里さん(キャラメルボックス)、天野一輝さん(梅棒)

生まれて初めての短編集。劇作家の経験も盛り込んだ意欲作に

“plat de 成井豊”と“plat d’ 梅棒”の2バージョンで上演される本作。どちらも短編が続くオムニバス形式となっており、成井さんは“plat de 成井豊”の7話全話と、“plat d’ 梅棒”4話中の1話の脚本を担当されました。

「短編集を書くというのが、59歳にして生まれて初めての経験なんです。脚本を書くにはいつも苦しみが伴いますが、今回は書いていて楽しさや手応えがありました。特に野田くんに演じてもらった和彦という役柄は、作家になる男。作家の端くれとして、相当自分の体験や想いを盛り込んで書きました」(成井豊さん)

“時間”と“好き”をテーマとした成井さんらしい作品

主要キャストであり、キャラメルボックスでも活躍されてきた阿部丈二さん。キャラメルボックスは「エンターテイメント・ファンタジー」を掲げたSF作品が代表的ですが、今回はリアリズム的な作風。しかしそこには存分に“成井さんらしさ”が詰まっていると言います。

「SF要素はないですが、タイムトラベルものとは異なる意味で“時間”がテーマとなっている。取り戻せる時間、取り戻せない時間、これから失う時間…。様々な意味合いの時間が出てきます。あとは“好き”という気持ちも。キャラメルボックスの“人が人を思う気持ち”が堪能できる作品だと思います」(阿部丈二さん)

2人芝居でも豊潤な物語に。梅棒・野田の演技にも注目を

一方、“plat d’ 梅棒”で作・演出を務める遠山晶司さんは“plat de 成井豊”作品にも出演。自身がキャラメルボックスと成井さんのファンということで、そのマリアージュを堪能されているそう。

「どのお話も涙腺を刺激され涙ぐみながら見ていました。2人芝居メインで、豊潤さを醸し出せる成井さんの脚本・演出とキャラメルボックスの方々の演技。僕ら梅棒とは異なるスタイルなので、とても感動的で羨ましさもありました。その中で、梅棒では普段一言も喋らずに演じている野田がこれだけ出して頂いている。誇らしい気持ちで見ていました」(遠山晶司さん)

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“plat de 成井豊”ではキャラメルボックスの原田樹里さん演じる雪と、梅棒の野田裕貴さん演じる和彦を中心に物語が展開。まさにキャラメルボックスと梅棒のマリアージュなのです。インタビュー②では、「演劇初心者はここを見て!」というポイントを伺います!